2025年秋号
知っていますか?たばこの真実
真実はどっち?健康クイズでチェックしよう
Q 「加熱式たばこ」や「電子たばこ」は、煙が出ないから有害ではない?
1 そのとおり!(無害)
2 そんなことはない!(有害)

A 2 そんなことはない!(有害)
●加熱式たばこ
たばこの葉を燃焼させずに加熱し、発生する蒸気を吸入するもの。ニコチンなどの有害物質やタールなどの発がん物質が含まれ、体へ悪影響を及ぼします。
紙巻たばこ(一般的なたばこ)に比べ、有害物質が少ないとうたわれていますが、その健康への長期的な影響についてはまだ十分に明らかになっていません。そのため、「有害物質が少ないから安全だ」と安易に判断するのは禁物です。
●電子たばこ
専用カートリッジ内の液体を加熱し、発生する蒸気を吸入するもの。製品によりアセトアルデヒドなどの有害物質が含まれており、健康影響に懸念があると考えられています。
Q 「加熱式たばこ」や「電子たばこ」なら、周囲への健康被害は気にしなくてもいい?
1 気にする必要はない
2 紙巻たばこ同様、対策が必要

A 2 紙巻たばこ同様、対策が必要
紙巻たばこの害は、吸っている本人だけにとどまりません。たばこの先から出る煙や、喫煙者が吐き出す煙などを周囲の人が吸う受動喫煙で、肺がんのリスクが約3割もアップするという調査結果も報告されています。
また、喫煙後45分間は、喫煙者の息には有害物質が含まれており、髪の毛や服、壁や家具にも有害物質が付着しています。これらの残留した化学物質を吸い込むことを、「三次喫煙(サード・ハンド・スモーク)」といい、周囲の人へ健康被害を与えてしまいます。
一方、加熱式たばこ、電子たばこの蒸気にさらされることについても安全なレベルというものはなく、周囲にも健康影響を及ぼすと考えられています。有害ではないという思い込みから周囲への配慮がおろそかになり、健康被害が拡大することも懸念されています。
たばこの健康への影響
喫煙(紙巻たばこ)は、さまざまな病気を引き起こし、健康を脅かします。
喫煙者本人はこんな病気になりやすい
- がん(肺がん・胃がん・食道がん・膵臓がん など)
- 脳卒中
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- 呼吸機能低下
- 虚血性心疾患
- 糖尿病
- 歯周病 など
【妊娠・出産】
- 早産
- 低出生体重・胎児発育遅延 など
受動喫煙で周囲の人もこんな病気のリスクが高くなる
【大人】
- がん(肺がん)
- 脳卒中
- 虚血性心疾患
- COPD(慢性閉塞性肺疾患) など
【妊娠・出産】
- SIDS(乳幼児突然死症候群) など
【子ども】
- 小児ぜんそく など
加熱式たばこや電子たばこは、紙巻たばこと同様にニコチンや有害物質を含んでいます。科学的なデータはまだ十分ではありませんが、上記のような病気の原因となる可能性は否定できません。
たばこを吸っている人は、今すぐ禁煙を
紙巻たばこから加熱式たばこや電子たばこに変えても、それは禁煙とはいえません。自分のためだけでなく、周囲の人の健康を守るためにも、禁煙にチャレンジしませんか?
禁煙する自信がない人や、自力でやってもうまくいかなかった人は、医療機関の禁煙外来がおすすめです。一定の条件を満たせば健康保険が適用され、加熱式たばこも対象です。
禁煙外来では、個々の喫煙習慣や健康状態に合わせて、最も効果的な禁煙方法を提案・指導してくれます。
禁煙外来で健康保険適用になるおもな条件
- ニコチン依存症と診断された
- 35歳以上の場合、「1日の喫煙本数×喫煙年数」が200以上
- ただちに禁煙したいと希望している